第2話

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「俺、朝比奈陵(アサヒナリョウ)」 「えっ?」 突然の自己紹介に響は顔を上げる。いつの間にか、少年は笑っていなかった。 それどころか、すぐ目の前に顔がある。 「人を少年て呼ぶのは今時ありえないよ。それから……」 そう言って響の野暮ったい黒縁メガネを外した。 「このメガネも髪型も今時ありえない。いつの時代の校則を守ってるの?」 陵はニコリと笑う。けれども、響は視力が低い上に涙で滲んでよく見えない。 それなのに、なぜか鼓動が速く脈を打つ。
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