第1話

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「ハーイ、生徒会長。質問してもよい?」 新入生の波の中、少年が一人手を挙げた。 「ハイ。何でしょう?」 響に言われて少年は立ち上がる。 (な、なんてチャラそうな奴。あんな奴が、この学園に入学するなんて……) 響は少年の容姿に一歩ヒいた。新入生だというのに、既にブレザーのボタンも留めず、ネクタイを緩めている。 桃源学園はこの辺り一帯でも有名な進学校。そのせいか、あまり派手な生徒はいない。 特に、入学式ともなればなおのこと。
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