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一瞬で七つの奥義を受けた魔物は、鮮血を撒き散らして散っていった。
「だけどその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな」
決めゼリフ言うの忘れてたし。
「ファイアリザードを一撃……? いや、七、八撃、ですか?」
ん? 見抜かれてるし。
振り返って見てみると、女の子は少しおどおどとしていたけれど、すぐに優しげな笑顔をこちらに向けていた。
「助けていただいてありがとうございます。私はリナ。リナ=エルリッヒです」
「どういたしまして。俺はキリ。よろしく」
自己紹介をすると、リナさんは俺の髪と目をみて、すこし不思議そうな顔になった。
「極東の方……なのですか?」
極東。俺からしたら日本のことだろうけど……、この世界にも日本ってあるのか?
あ、そうだ、いい手がある。
「それが……俺、自分の名前と戦闘のことしか記憶にないんだ……。さっきの技は、身体が覚えていたけど、それ以外は、さっぱり」
「(なんて哀しい瞳……)」
お、この人おもしろいぞ?
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