ジェイク・ルーニーの章

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「どうもこうも、警備の方々がわて等の商売の邪魔をして困っております。将軍様何とかして下さい」 兵士が口を開こうとした時、まるで味方でも来たかのような言い草で、店主が割り込んできた。 「……そうか、それは警備の者が悪いことをしたな。で、俺は今飲み水と氷を買いに来たのだが、幾らだ?」 「はいはい、将軍様でしたら格別お安く致します。いかほど……」 「この店にある全てだ」 「へ?」 店主以下、番頭達は目を点にした。 「安くしてくれるんだろ? 幾らだ」 「えっ、えっと……」 「格安と言ったな……。ならば、ここ3ヶ月の相場の半値でよいだろう。代金は後日、城へ取りに来るといい」 「は、半値!?」 戸惑いを見せる店主をジェイクが畳み掛ける様に言い放つ。 「何をしている警備隊長。さっさと全ての商品を運び出せ!!」 「は、はい! 閣下! よし皆の者! さっさと運ぶのだ!」 呆然とする店主とは対照的に、警備隊長ミロードは明るい表情で部下に指示を出す。
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