15人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうもこうも、警備の方々がわて等の商売の邪魔をして困っております。将軍様何とかして下さい」
兵士が口を開こうとした時、まるで味方でも来たかのような言い草で、店主が割り込んできた。
「……そうか、それは警備の者が悪いことをしたな。で、俺は今飲み水と氷を買いに来たのだが、幾らだ?」
「はいはい、将軍様でしたら格別お安く致します。いかほど……」
「この店にある全てだ」
「へ?」
店主以下、番頭達は目を点にした。
「安くしてくれるんだろ? 幾らだ」
「えっ、えっと……」
「格安と言ったな……。ならば、ここ3ヶ月の相場の半値でよいだろう。代金は後日、城へ取りに来るといい」
「は、半値!?」
戸惑いを見せる店主をジェイクが畳み掛ける様に言い放つ。
「何をしている警備隊長。さっさと全ての商品を運び出せ!!」
「は、はい! 閣下! よし皆の者! さっさと運ぶのだ!」
呆然とする店主とは対照的に、警備隊長ミロードは明るい表情で部下に指示を出す。
最初のコメントを投稿しよう!