57人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「ただいまー」
「お帰り、結佳」
遅くなったことについて怒られると思ったが、お母さんはニッコリと笑って私を見た。
「遅かったわね。どうかしたの?」
「あのね、具合悪そうなお兄さんがいたからお水あるとこまで連れてったの」
「お兄さん?」
「んっとね、隣の雅幸お兄ちゃんが着てるのと同じ服着てた」
当時、私は制服というものを知らなかった。
なんで同じ服を着てるお兄さん・お姉さんがいっぱいいるんだろ、くらいの感情しか持ってなかった。
隣の雅幸お兄ちゃんは地元の進学校に通ってる高校生だった。
「ふーん。ってことは高校生か」
最初のコメントを投稿しよう!