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「……何が嬉しいの?」 そう尋ねたら女の子はキョトンとした。 「何で、僕がここにいることが嬉しいの?」 「私はお兄ちゃんが欲しかったのです」 そう言って、ニッコリ笑う。 ……別に、ここに住む訳じゃないんだけどなあ。 そう思いはしたが、まあ、勿論悪い気はせず。 「結佳、良成君、ゼリー食べる?」 「食べるー!!」 そう言って、小走りでリビングに向かう。 僕もそれに着いていった。 奥にカウンターで分けられたキッチン。 リビングには4人分席のあるテーブル、テレビ、電話。 それ以外の物を置くと歩く場所が無さそうな狭さ。 それでも、やっぱり僕の家よりは広い。
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