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ゴミを捨てたり、スプーンを流しに持っていったり、パジャマを取ってきたり、と女の子は忙しそうにパタパタ走り回った後、浴室へと消えていった。 「さて、と」 水谷さんは僕の正面に座り直しながら言った。 「私、前に言ったわよね。誰が嘘をついているのかしら……みたいなこと」 「はい」 「答え、わかった?」 そう言って、髪をかきあげて頬杖をつく。 お母さん。 そして、僕。 そして―― 「水谷さん」 「あら、自分のことは棚に上げるのね」 クスクス笑いながら言う。
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