17/26
前へ
/26ページ
次へ
「なんで……なんで」 僕は、思っていることがスラスラと言えなかった。 「自分の旦那でしょう?離婚もまだしてない……」 自分の旦那が、自分と同じ会社の人の夫になろうとしてるのに。 それに、 「あの子の、お父さんですよね?」 女の子の屈託ない笑顔が浮かぶ。 「ええ、そうよ?」 ふふっと笑いながら言う。 「だったら――」 「お母さーん。お風呂出たよ」 パジャマ姿の女の子がそう言いながらリビングに入ってきた。 「髪の毛もきちんとドライヤーで乾かしたんだよ」 勝ち誇ったような表情で言う。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加