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この人は僕の心の中が読めるのではないかと思いたくなるくらい確信をつく。 憎い? ああ、そうだよ。 ――憎イニ決マッテルジャナイカ。 ずっとずっと押し込めてきた気持ちが溢れてくる。 「うちはお父さんがいないから……僕が我慢しないといけないと思ってた」 お父さんがいないのは、僕のせいじゃないのに。 我慢してたのは僕。 「お母さんは女手1人で大変だからって……」 仕事と家事と子育て。 やっていたのは仕事だけ。 しかも、お金がないと嘘までつかれて行動を制限されていた。
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