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「あなただって……信用できない」 そうやって優しく頭をなでてくれる人だって。 お母さんがしてくれなかったことをしてくれる人だって、信用していいのか分からない。 僕の隣であんなに笑顔だった女の子が、別の男の子の前で全く違った表情を見せられるのと同じだ。 「そりゃそうよね」 立ち上がって、僕の頬に掌を当てる。 「実の母親が裏切ったばっかだっていうのに、他所のおばさんを信用しろって言うのも無理な話」 そのまま、スーッと顎に手をかけられる。 「でもね、世の中、親子とか恋人とか綺麗な関係だけじゃないのよ?」 クイッと顎を持ち上げられ、水谷さんの目を直視する形となる。
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