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心外だと言わんばかりに怒る女の子の姿に思わずクスッと笑ってしまった。
「ところで、ここは見ての通り病院なんだけど……どうする?」
「どうするって何が……ですか?」
「しようと思えば出来るけど、私、あなたの家に連絡してないの」
水谷さんはまっすぐに僕の瞳を見ながら言った。
僕の話をしていたなら真っ先にするべきだ。
だって、僕の話ではお母さんは良い人で互いのことを思い合っていることになっているのだから。
「……どうして」
「どうしてかどうかは……うん、そうね。場合によっては教えてあげる。とりあえずお医者様呼んでくるわね。家に帰るか否かは自分で決めて」
そう言って水谷さんは病室を出て行った。
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