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「じゃあ行きましょうか」 医者が病室から出て行き、しばらくした後、水谷さんが入ってきた。 「……どこへ?」 「うちよ。だってあなた、帰る気無いんでしょう?」 当たり前のことだと言わんばかりの口調。 「医者と看護師にはあなたの母親の会社の同僚ってこと伝えたし、お金も代わりに払っといたし」 「え、あの、その」 僕が家に帰らない、イコール水谷さんの家に行く、と何故なる? 「お兄さん、うちに来るですか?」 女の子は目を輝かせている。 「そうよー。たくさん勉強教えてもらいなね」
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