7/26
前へ
/26ページ
次へ
「お兄さん、勉強得意なのですか?」 「いや、あ、その」 「じゃあタクシー呼んでくるわね」 僕の意見は聞かないのか! 「お部屋から出ますですよ……出ます?出るですよ?」 女の子は僕の服を裾引っ張りながら、ちょっと伏し目がちに正しい敬語を考えている。 「お部屋から出ましょう、かな」 僕がそう言ったら、顔を僕の方に向け、ニコッと笑った。 「お部屋から出ましょう」 そう言って、僕の服を掴んだまま歩き出す。 喜んでる小さな女の子の手を振り払うわけにもいかず、僕はそのまま女の子に着いていった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加