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結局僕はそのままタクシーで水谷さんの家に行くことになった。 綺麗なマンション。 部屋は結構小さめ。 だが、うちよりはかなり広い。 「外から帰って来たら?」 「手洗いうがい!」 そう言って、女の子はパタパタと駆けていった。 多分、洗面所に向かったのだろう。 「――で、どういうおつもりで?」 僕は靴を脱ぎながら尋ねた。 「え?」 「僕を連れてきて水谷さんにメリットがあるとは思えないんですけど」 「あらあら、そんなに睨まないでよ。私が損得で動く人間だとお思い?」
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