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何も答えない綾香に向って微笑む。
「まあ、君のイメージの中の僕ならそんな冗談言わないよね」
ふふふふふふふ。
デジャヴ、っていうんだっけ。
綾香のこの表情、前にも見たことがある気がする。
初めて逆らった時のお母さんの表情と似てるからかな?
「僕だって、君が淫乱な子だなんて知らなかったわけだし?」
綾香は何も言わない。
「冗談じゃないよ、勿論。昨夜、君が男と一緒にホテルに向かうのを見たからね」
「……見、見たの……?」
やっと口を開いたと思ったら馬鹿な問いかけ。
「見た、って言ったばかりじゃないか。そんなに自分を追いつめて楽しい?それとも今度こそ冗談だとでも思った?」
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