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書置きはなかった。 ただ、この家の家賃、ガス代、水道代、電気代、高校の学費の資料と通帳が1冊置いてあった。 通帳の名義は僕。 貼ってある付箋に4桁の数字は書いてあるのは暗証番号だろうか。 金額はピッタリ200万。 高校卒業まで、この家で、この金で暮らせ。 あとは好きにしろ。 そういうことだろう。 なんとも、あの人らしい。 何もしないで放り出して自分が犯罪者になるのが嫌だから金を残したのであって、僕のためではないはずだ。 そして、僕が自分を追ってこないと考えているのだろう。 「ははっ……ははは……」
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