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椅子の背もたれに手をかけたまま、ズルズルとしゃがみこむ。 自嘲的な笑いしか出てこない。 「……随分、なめた真似をしてくれるじゃないか」 確かに僕は殺せなかった。 首に手をかけたけど、それを絞めることが出来なかった。 何かを言い返すことすら出来なかった。 人を殺すのが怖かったのか。 何かを言い返されるのが怖かったのか。 さらに拒絶されるのが怖かったのか。 何のせいで、何も出来なかったのか、わからない。 でも、1つだけ言えることがある。
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