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「散々、間違った価値観で人を縛り付けといて……」 コツッ、と椅子の背もたれに額をぶつける。 「自分だけ幸せになって……」 僕が邪魔だった? あの人にとってはそうだったのかもしれない。 でも、あの人のために僕だけが我慢する筋合いなんて―― 「ただで済ますわけ……ないだろう?」 立ち上がり、外に出る。 行き先は決まってる。 「――貴女に荷担します」 「あら、良い御答えありがとう」 水谷さんはいつも通りクスクス笑いながら答えた。
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