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「こんなので良ければ毎日でも作ってあげるよ」
そう言ったらパァッと顔に笑みが広がった。
「ただいま……あら、良い匂い」
そう言いながら水谷さんが入ってきた。
「お帰りなさい。味噌汁と肉じゃが温めなおしますね。ご飯どのくらいが良いですか?」
「そのくらい自分でやるわよ!?」
僕が立ち上がろうとしたら水谷さんは心外そうにそう言った。
「仮にも育児と仕事を両立させてる身なんだから……」
そう言いながら台所に向かう。
「お母さんのお味噌汁、やかんでお湯入れるやつだけど、お兄ちゃんはお鍋で作ってたんだよ!」
「結佳、悪いけど黙って……」
興奮しながら話す結佳ちゃんは母親の気まずさなど全く感じていないようだ。
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