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「まあまあ、焦っても仕方ないでしょう」
駄々をこねている子供をなだめる様な口調で言う。
「今どうなってるかわからなかったら何も出来ないじゃない。それに、深夜まで現状報告をこと細かく語ってくれたのは貴方よ?」
そう言って水谷さんはクスクス笑った。
嫌味な笑い方ではなかったが、僕はムスッとして頬杖をついた。
僕だってここまで来たら誰かに愚痴を言いたい。
でも、学校のクラスメートには片親であることすら言ってないし、言いたくもない。
綾香と別れた今となっては誰も相談相手がいなかったのだ。
……綾香に何かを相談したこともなかったけれど。
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