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「やることは至ってシンプルだけどね」
「……そうなんですか?」
「三上さんと私の旦那が会ってるとこに、良成君が行けば良いのよ。息子ですーって言ってね」
「……それだけ!?」
「あら、不満げ」
頬杖を止め、両手を机に置き、身を乗り出すようにした僕を、面白いものを見るような目つきで見る。
「まあ、落ち着きなさいな」
そう言って掌を軽く振る。
「まさか、両方、またはどちらかを殺すつもりだった?――まあ、あなたは利口だからそこまでは考えてないでしょうけど……少なくとも犯罪に手を染めるつもりはないわ、私はね」
そう言ってフフッと笑う。
「犯罪なんて。見つからなければ犯罪行為は犯罪として扱われない」
僕は水谷さんを睨みつけた。
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