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本当に心配そうな顔。 昨日見た姿が嘘だったかのように。 「良成君?」 キョトンとした表情で目の前でヒラヒラと掌を振る。 「具合悪いの?」 「ちょっとね。でも寝てたら治ってきたから」 「なら良かった」 そう言って、笑う。 いつもの綾香の顔。 「あ、そうだ。後で化学のノート写させて貰って良い?」 そう尋ねたら苦笑した。 「んー……実は」 「また居眠りしちゃって書いてないわけ、ね」 綾香は居眠りをしてしまうことが多く、僕のノートを借りることは少なくなかった。
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