呆気ない復讐

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「息子!?君がバツイチだとは聞いていたが息子……しかもこんな大きな息子がいるとは聞いてないぞ!?」 周りの客を気にしてか、大きくはない声で母親を責める。 母親はぶんぶんと首を横に振った。 「否定?そうすれば信じてもらえると思ってるの?僕を頭のおかしい知らない子だと言えば良いと思ってるの?」 机の上に、手にしてた封筒をひっくり返し中身をぶちまける。 僕と母親が一緒に写っている写真。 少ないけれど、入学式や卒業式などイベントの時には撮ってはいたのだ。 それを宝物のように机の引出しの中に閉まっていた、少し前の僕。 写真の中の笑顔の母親と僕。 こんな形で使われるとは思いもしなかっただろう。
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