もう1つの真実

2/13
前へ
/38ページ
次へ
「――まあ、あまり自分に関わりのない人を悪く言いたくありませんが、あれで結婚するようだったら相当の馬鹿ですよ」 水谷さんの家で、昨日のことを報告しながら夕飯を作る。 結佳ちゃんは友達の誕生日会とやらで今日はいない。 「ご協力ありがとうございました。僕一人だったら捜し出すのが面倒だったと思いますし」 「いいえ、こちらこそ」 冗談っぽく言いながら水谷さんは笑った。 「こっちの離婚も成立したしね。晴れてみんな独り身よ」 「……明るく言うとこですか、それ」 あっけらかんと言う水谷さんに苦笑する。 「……で、明日からなんですけど」 「勿論来てくれるわよね?」 水谷さんは当然のことのように言った。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加