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「兼元、落ち着け……ちょっと……」
僕は辺りの様子を伺いながら兼元を諭した。
「やだ!良いって言うまで帰さない!!」
「頼むから声のボリュームを……」
「俺がズタズタになっても良いのかよ!?」
「だからそれは自業自得と……」
駄々っ子のように聞く耳を持たない。
酔っ払った勢いで告白してしまって引っ込みがつかなくなった人に見えるが、最大の問題は相手が男ということだ。
宥めようとしても、諭そうとしても、喝を入れても聞く耳を持たない。
「せめてもう少し冷静な状態で話をさせてくれ。僕はもう帰る」
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