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「そんなに嫌そうな顔するなよ」
兼元はニヤニヤ笑いながら言った。
「俺達、今は恋人って設定だぜ?」
「だからだよ。男が恋人になるくらいなら独りでいる方が百倍良いよ」
「よく言うよ。女も嫌いなくせに」
それには答えず、歩き始める。
兼元の『自称彼女』とやらとの関係を断ち切るため、僕は兼元の恋人という設定になっている。
不愉快極まりないが、一度した約束を破るのは僕の信条に反する。
「3人は今頃優秀なスタッフの元で薬抜いてるとこだろうなー」
肩から荷が降りてスッキリしたと言わんばかりの顔で兼元は言う。
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