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「伊織は何て言ってたの?」
しばしの沈黙の後、綾香は尋ねてきた。
「何って……何が?」
「『本当はお前より大切な人がいる。俺が遊んでると妬いちゃうんだ。目の前でフッて欲しい、って言われた』とか……。伊織はそう言ってた」
兼元め……僕を何だと思ってるんだか。
「言い訳だよ。アイツは君の他にもたくさん女の子と関係を持ってる。で、めんどくさくなったらポイ、だ。飽きた玩具を棄てるのと同じ感覚だな」
綾香の顔の前に指を突き立てる。
「飽きられた玩具なんだよ、君は」
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