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苦痛に耐えるように歪む綾香の顔。
それを見るのが僕には楽しくて仕方がない。
「まだ兼元に付きまとう気があるなら僕、君を殺すよ?君みたいな馬鹿な女に関する愚痴を聞かされたくないし」
あっ、とわざとらしく思い出したように言う。
「君にしてみれば色々『してあげた』んだろうね。ごめん、忘れてたよ」
握っている手を離す。
「これから仕事だろ?馬鹿な女は馬鹿らしく着飾って男に媚びて来なよ。これからは金を使わなきゃいけない男もいないし楽になっただろう?」
僕は軽く手を振って、綾香に背を向けた。
これが、僕が彼女に会った最後の日となった。
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