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「流石に壺は買わないよー」
お姉ちゃんはそう言ってニヤニヤしてるが、壺はものの例えであって……もう、いいや。
浮かれてるお姉ちゃんに何言っても無駄だ。
「美音は彼氏いないの?」
「いないよ。出来ても言わないし」
自分が恋愛をしてきてないからか、お姉ちゃんはしつこいくらい人に恋愛話をさせようとする。
残念ながら私も話せるネタはあまり無いのだが、お姉ちゃんはそれでも聞いてくる。
「まあ、家族だと照れ臭くてあんま言えないかもね。私も彼氏出来ても言わないかも」
――実際その通りになり、それが事件を引き起こすなんてこの時の私には知る由もなかった。
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