お母さんの最期

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別荘に着いた頃には深夜近くになっていた。 「悪いけど僕は家に帰るね。明日も学校があるからさ」 芋虫のようにしか動けない母親を鉄製の扉の部屋の一つに放り込みながらそう言った。 「じゃあね。二日くらい放置するけど、まあ、死なないでしょ」 そう言って笑顔で手を振ってドアを閉めた。 母親は、この次の日有給を取っていた。 それが兼元に会うためだということも知っていた。 だから、誘拐するのはこの日にした。 行方不明になった日が分かりにくくなるから。 次来る時――二日後には何をしてやろうか。 どうせすぐ殺すんだ。 僕は母親の鞄の中から携帯電話を取り出し、真っ二つに折って壊した後、水を張った流しに沈めた。
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