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俺は『連絡がつかない』と言った。
あいつはそれを『行方不明』と言った。
今思うと、多分、興奮してたんだろう。
『――女性だっていつまでも騙される側じゃないんだよ。気付いたんだろ、君との関係が間違っているってことに』
普段のあいつならこんな感じのことを言ったはずだ。
俺は、よしおかに疑惑を感じても友達関係を続けていた。
……いや、友達と言えたのかわからない。
俺はあいつを『監視』していた。
そして、あいつはそれに気付いていた。
気付いていて、尻尾を掴めない俺を心の中で笑っていた。
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