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「そのままで良いって解釈して良いかな?何も聞こえないんだけど」
僕がそう言ったら母親は顔をあげてすがりつくような声で言った。
「トイレ行かせて……」
食べ物か水を要求してくると思ったんだけど、まあ、別に違っても良い。
僕に惨めな頼み方をしてくるのを見れたから結果としては問題ない。
足に巻いていたガムテープをビリビリ剥がして立たせる。
その後、手に巻いていたガムテープも剥がす。
「トイレ、自分でどこか探してみたら?」
僕はそう言って笑った。
「限界なんでしょ?洩らさないように頑張ってね」
絶望的な顔をしてよろよろしながら部屋を出ていく。
僕は、念のため玄関に立っておくことにした。
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