お母さんの最期

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玄関の鍵も内側から開けられないようにするか、なんて考えてたら母親がよたよたとこっちに向かってきた。 「トイレ……どこかわからな……」 「ああ、そこの廊下だよ。ここから二番目の廊下」 指を差してやる。 本人は急いでるつもりなんだろうけど、二日間飲み食いしてない上にずっと同じ体勢をしていたからか、動きは恐ろしく鈍いし滑稽だ。 僕は声を立てて笑った。 しばらく待っていたら母親が戻ってきた。 「何か、飲み物と食べ物をちょうだい……」 「便器の水でも飲んでくれば良かったのに」 僕は蔑むような口調で言った。
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