お母さんの最期

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「二日食べ物食べなかっただけで何だっていうんだ。僕が五歳の時だっけ?熱出して布団から出れなくなった時に『椅子に座れないなら知らない。どうせ食欲ないでしょ』って言って二日間何も作ってくれなかったの覚えてるよ。普通、そういう時はお粥とか食べやすいもの作って枕元に持ってきてくれるもんだってわかったのは小学校高学年になってからだったけどね」 屈んで、母親の髪を掴んで無理やり僕の方を向かせる。 「やめ……」 「やめて?よくそんなこと言えるね。僕が泣いても喚いても謝っても殴るのも蹴るのも止めなかったくせに。まあ、僕は優しいからやめてあげるけど」 そう言ってパッと手を離す。 母親の顎が床に当たって鈍い音を立てる。 「どうして……」 「どうして?よくそんなこと言えるね。考えてごらんよ。僕がお母さんに恨み以外の感情を持っていると思う?」
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