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ポタポタと垂れる母親の涙が床を濡らす。
「何で泣いてるの?反省してるわけじゃないよね?今の自分の保身のためでしょ?」
「か、帰らせて……」
「嫌だよ。むしろ、本当に帰れると思ってるの?物心ついた頃からずっと人のこと虐げてきて、挙げ句の果てに捨てたくせに……僕がお母さんに容赦すると思ってるの?」
そこまで言って、ふと思い出す。
「そういや、お母さん言ってたもんね。僕はお母さんのこと殺せないって。お母さんは僕の支配者だって」
ニッコリ笑う。
「今もそう思ってる?僕が自分のこと殺せないと思ってる?」
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