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「あんた……知って……」
「何て言われたの?身の上の不幸自慢でもされた?お金がないとか?食いつなぐのがやっとなフリーターとか?知らないよね?ホントのこと。知ろうともしなかったでしょ?」
何も答えない母親にたたみかけるように言う。
「自分に都合の良い解釈をしたんでしょ?お母さんは会社ではそれはそれは立派な人に見えてるだろうからね。仕事が出来る女にさ。そんな出来る女が若い男に入れこんでも仕方ないんだと思えるような理由を自分の中で作ってたんでしょ?」
「……あんたが怒ってるのは、そのこと?」
母親はそう言って笑った。
「私があんたを捨てたのに、あんたと同じ年頃の男と居るのが許せない?でしょうね、そりゃ。私はあんたのこと可愛いがったりしなかったものね」
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