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ああ、この人と自分は親子なんだな、と改めて思った。
「お母さんさ……金、金言っているけど……何で普通のサラリーマンの水谷さんと結婚しようとしたの？」
僕は尋ねた。
「お父さんから貰ってたお金、一人の方がいっぱい使えるじゃん。……まあ、水谷さんと結婚して金銭的に損するとは無いけど…………何で、金を払ってまで兼元に入れ込んだの？」
『兼元』という名前を聞いて、母親は驚いたのか目を見開いた。
「兼元はさ、お母さんの中ではお金の無い若い男以外の何者でもないよね？実は良いとこの坊っちゃんでお金が入る予定がある、とか非現実的な話を信じる性質でも無いでしょ、お母さんは？」
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