断章Ⅳ

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よしおかにも言ったが、俺は三上由美子については名前とメールアドレス、電話番号、家の場所しか知らなかった。 行方不明になった後も知ろうとしなかった。 厄介なことに巻き込まれたくなかったし、何より俺に疑いがかかることは間違いなかったから。 三上由美子は真面目な会社員だったから、周りには若い男と遊んでいるなんてばれないようにしていた。 俺が黙ってれば、俺と三上由美子の繋がりなんて無いも同然。 だから深く突っ込まなかった。 よしおかに疑惑を感じはしたが、裏から調べたりはしなかったのもそのせいだ。 ただ、よしおかがとんでもないことをしそうで、心配だった。 ……その心配がこうやって的中してしまったわけだが。
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