断章Ⅳ

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三上由美子がよしおかの母親だという事はニュースで知った。 知った時、愕然とした。 『君を見てると……吐き気がするんだ』 よしおかがそう言ったわけがこの時初めて分かった。 俺達の中であの日のやり取り、そしてそれ以降連絡を取っていなかったことは『触れてはいけないこと』として暗黙の了解になっていた。 監視する俺と、それに気付いてたあいつ。 それでも奇妙な友人関係は続いていて、俺達はキャンパスが離れても、よしおかが卒業しても、俺が国家試験を控えてていても、お互い就職した後も、一か月に一回は顔を合わせ、飲みに行ったりしていた。 勿論、橋本依舞が行方不明になった時期も、だ。 俺達が四年生の時だった。 橋本依舞が行方不明になったのは。
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