理想と現実

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その逃げてった女の子がお姉ちゃんの庇っていた女の子だと知ったのは後日のことだった。 私はその一件しか知らないけど、何回かそういうことがあったらしい。 私は、と言うと過去に虐められたことも虐めたこともない。 でも、虐められている子を無視したらそれも虐めているのだという定理に嵌めるなら私も虐めに加担していたことになる。 それを後悔しているか、というと……正直、仕方の無いことだと割り切っている。 だから私にはお姉ちゃんの行動は要領が悪いと思っていたし、苛つくことも多々あった。 『うちのお姉ちゃんは勉強は出来るけど、勉強以外は馬鹿』 何回友達にそう説明したんだろう。
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