理想と現実

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そんなことをぼやいていたお父さんと対称的に、お母さんは私までいなくなっては適わないと思ったのか凄く過保護になった。 部活が延長して帰りがいつもより二十分遅くなっただけでも気が狂ったように喚くので、私は部活を辞めざるを得なくなった。 少しでも恋愛関連の特集が掲載されている雑誌を購入しようものなら、彼氏がいるんじゃないかとかお姉ちゃんと同じように家を出ていくつもりなんだとか疑われて五月蠅いので、雑誌を購入することもなくなった。 少女漫画も同様に、だ。 私がそれに対して不満を持っていたのがわかっていたからお父さんは平気そうな素振りをしていたんだと思う。 呆然としてしまったのもあると思うけど。 他の家庭に比べてあまり問題もなく、幸せだったはずの私の家族はお姉ちゃんが出て行ったことで完全におかしくなってしまった。 心配する気持ちと同時に、恨む気持ちがあったのは否めない。
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