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「浮羽(ウキハ)ちゃん」
小声で名前を呼ばれた。
私の隣の席で包装をしている、山田(ヤマダ)さんだ。
「今日を入れて、あと2日の辛抱だよ」
「…そうですね」
そう、あと2日。
24日には、サンタさんはこの工場から出て行く。
大量のプレゼントを抱えて。
「浮羽ちゃんは、病気の昼顔(ヒルガオ)さんの薬代のために働いてるんだから、偉いわぁ」
「いえ…」
女手1つで私を育ててきた母は今、重い病気にかかっている。
母の薬代は、この工場で働いてやっと払えるほど、高い。
この仕事は、嫌い。
けど、働かなければ薬代を稼げない。
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