大クリスマス会の夜

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外に出ると冬の冷たさが身に染みた。 雪は降っていないが吐く息は白い。 ジャージ一本で出て来た事を軽く後悔したが、まあジュース買うだけだし、と何の気なしに歩き出す俺。 しかし歩けど歩けど自販機が無い。 一体どうしたことかしらん。 そこで俺はあっ!と心の中で大きく声を上げた。 丁度自分が今歩いてきた道とは反対方向、道路を挟んで向かい側に煌々と輝く7の文字。 住まいから通りを渡って直ぐに711があったのだ。 しかし大分先まで歩いてきてしまった俺にとって戻るのは若干面倒臭かった。 (ええい、ままよ!) 俺はえいやっ!と横の路地に入り込んだ。 暫く進むと、ジーザス!コ○・コーラの自販機が俺の目に飛び込んできた。 いやムーンサイドではあるまいし実際にはそこにあっただけなのだが。 俺はそこで早速コーラを購入し、部屋に戻ろうとしたところで… ふと、我に返った。 俺って一体何をしてるんだろう。 部屋に帰ったところでまたSlipknotを流しケーキを口に流し込むだけだ。 クリスマスイブの夜に。 それってどうなん……? 何で聖なる夜にあんなサバトじみた、反逆的な催しを開こうとしたのかしらん。 それも、たった一人で。 まるで狂気の沙汰じゃまいか… いても立ってもいられなくなった俺は、ケータイを取り出した。 一時間くらい前にメールを送ったばかり、多分まだ起きているはずだ… コールすると、程なく相手が出た。
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