Chapter-1

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冗談はさておきハルは兄というひいき目無しに言っても可愛い。何度も俺が彼氏を作らないのか聞いたけど..... 「私にはまだ付き合うとかそういうのは分からないから今は考えられないよ」 と言いながら、そのたびに少し困ったような顔をする。ハルは家でも学校でも常に明るく、守ってあげたくなる容姿は多くの男心をくすぐっていた。 現にこの笑顔にホイホイとつられて何人の男が涙を流していったか。三十を越えてから俺は数えるのをやめた。 逆にハルに彼氏ができてもそれはそれで悲しいものがあるけど。 「そういえばハル。何で俺の部屋に来たんだ?」 俺は今更ながらに思い出した疑問をハルに投げかけた。 「あ、そうだった!お母さんがご飯の用意出来てるかららお兄ちゃん呼んできてって!」 時間を見ると今は七時半。入学式は十時からで転移ですぐに学園につくといっても向こうで何があるか分からないから早めについときたい。流石に入学初日から遅刻なんてことは避けたいし。 「そっか、ありがとな。とりあえず一緒に下降りるか」 荷物はあらかじめ送っておいたので、手ぶらのままハルと一緒に階段を降りてリビングへと向かった。
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