となりのアイツ

俺のとなりのアイツ

「晃太と……何？」

まだ俺に気付いていない亜弓はさっきよりもイラついている。
俺は睨むように2人のやりとりを見つめた。

「いや……何でもないや…。俺、さっきメロンパン買ったからあげるよ」

堺は俺の存在に気付きながらも、気付かないふりをして亜弓にメロンパンを渡しあわてて去っていく。

「…………」

亜弓はまだ俺の存在に気付かず、堺の後ろ姿を見つめていた。

あんなヤツなんか見てんなよ…

俺は何故か無性に亜弓を抱き締めたくなる衝動に駆られたけど、なんとか我慢した。