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「亜弓ちゃんのことなんだけどさぁ…」
上目遣いでねだるように話す相手に俺は吐き気を覚えた。
はぁ……
男の上目遣いってなんとも色気ねぇな。
いや、あっても困んだけど。
「亜弓に関することならヤダ」
俺は大介が言い終える前に即答で断って、再び教室へと足を進める。
大体、相談内容なんてわかってるんだ。
俺が亜弓との仲を協力。
…だろ?
ふ ざ け ん な
…馬鹿馬鹿しい。
誰が協力なんかするか。
「お前さぁ~ッ!いくらライバルで憎い相手の話だからって、友人の相談を聞く前に断るか!?」
大介は俺の背中に向かって叫ぶが完全無視。
それに亜弓は俺にとって憎きライバルなんかじゃない。
「友達やめんぞぉ~(泣)!」
大介の負け犬の遠吠え。
授業前で静かな廊下には相当響き渡った。
諦め悪い奴だな。
それで亜弓に近づかないなら縁切るくらい良いけど?
…なんて。
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