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「でもそれって紫が好きでほっぺが柔らかい人のことを言うんでしょ」
さっきまで見守るようにしてた佳奈が突然亜弓に助け船を出す。
それが気に食わなかった俺は“なんだよ”って意味をこめて佳奈を見た。
佳奈は俺を軽く睨んで何かを訴えてくる。
たぶん“いじめすぎ”って。
昔からそうだ。
亜弓が泣く前に佳奈は止めに入って俺の邪魔をする。
つまんねぇー…
だけど俺はしぶしぶ黙って退くことにした。
佳奈は怒らせたらマジ恐いし。
そんな佳奈を亜弓は嬉しそうに見た。
はたから見れば飼い主と馬鹿犬。
亜弓の尻尾がパタパタ振ってるのが見える。
それから亜弓は俺の方を見て勝ち誇ったように言ったのだ。
「私は紫なんておばあちゃんみたいな色好きじゃないもんねーッ」
ベーッと舌を出して。
『~~ッ』
カッチーンってくるだろこれは。
うん。やっぱこんな生意気なヤツはいじめるに限る。
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