1236人が本棚に入れています
本棚に追加
『はぁ!?誰がこんなブス…!』
男は不器用なんだよ。
お似合いって言われて嬉しいけど、正直に表現できねぇんだ。
俺は佳奈の言葉に照れて、それを隠すように思ってないことを口にしてしまった。
「ちょっとトイレっ」
そのあと俺から逃げるように教室を飛び出して行った亜弓。
『…………………』
俺はそんな亜弓の背中を見つめて今更悪いことをしたと気付いた。
情けないよな。
「お前って本当馬鹿だな」
「亜弓はデリケートだってわかってるでしょ?」
呆れて言う雅樹と佳奈。
ごもっともな指摘に返す言葉が何もない。
『…………』
だから俺は黙ることしかできなかった。
だって……佳奈があんなこと言うからだろ…
あーあ。
佳奈を言い訳にするなんて、俺ってばマジで格好悪い。
最初のコメントを投稿しよう!