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『俺ちょっと急いでるから』
俺は早く天野から離れたくて仕方がなかった。
「え~。じゃ私も行こうかなッ」
なんて弾んだ声を出しながら天野は俺の後を追ってきた。
なんだコイツは。調子乗りすぎ。
「はぁ?ざけんな」
俺はとうとう我慢できなくなって天野の方に振り替える。
裏では苛めの女王の天野。
最近、天野が亜弓をマークしていると聞いたから、亜弓に危害が行かないよう相手してきた。
だけど、もう無理だ。
「ついてくんなよ」
俺はそれだけ言ってその場を去った。
後ろから天野がボソッと何か言ったけど俺には聞こえなかった。
あーあ。やだねー。
あぁ言う“私は可愛い”って自信満々な感じ。
もう関わりたくない。
亜弓に何かあったら俺がどうにかすればいい。
最初からそうするんだったな。
俺はかったるく首を回しながら亜弓がいそうな場所に向かった。
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