215人が本棚に入れています
本棚に追加
私の名前はアイリーンではなく、外国人でもハーフでも無い。
ただ耳に残っている幼く柔らかい声は確かに
「アイリーン」
と私を呼んでいた。
最近、この夢を頻繁に見る。
突っ伏した机から身体を起こし、すっかり文字で埋め尽くされている黒板に視線を向けると、鬼のような形相をした教師と目が合った。
現国の教科を教えている鶴見は奥村藍里(おくむら あいり)のクラスの担任でもあるが、どうも反りが合わない。
「……奥村、今日の放課後までにノート提出な」
「なんで私だけ」
「俺の授業で毎回気持ちの良いほど爆睡してんの、お前くらいだから」
最初のコメントを投稿しよう!